「ね、うし、とら、う…」子どもたちが覚える十二支の並びには、どのような由来があるのでしょうか。子供にわかりやすく説明する方法をお探しですか?十二支の順番が決まった背景をご紹介します。
さっそく結論から申し上げると、十二支の順番は、中国の神話に由来し、年齢を数えるのが難しい人々のために、動物を使って覚えやすくした物語が始まりとされています。
一般に「干支レース」と称されるこの物語では、先にゴールした12匹の動物が十二支の座を獲得するという競争が、その順番の根拠となっているのです。
干支の順序を決定したレースとは
中国において、道教の神々の中でも最上位に位置する玉皇大帝は、年齢を数えられず、現在の時刻も把握できない人々のために、覚えやすい方法を考案することを思い立ちました。
主催者 | 玉皇大帝 |
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玉皇大帝について | 道教の最高神格 |
玉皇大帝は、年齢や時刻を示すために、12種類の動物が競うレースを企画することに決めました。これにより、人々は十二支を簡単に覚えることができるようになります。
レース名 | 干支レース |
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選出対象 | 先着12名の動物 |
集合日時 | 正月の元日 |
スタート時刻 | 自由 |
特筆すべきは、干支レースがスタート時刻を自由に設定できたことです。皆が一斉に「よーいドン!」でスタートするのではなく、各自の都合を考慮して出発することを認められていました。
正月の元日に神様のもとへと最初に到着した動物が頭刻みにランクされるシステムでした。出発は自由に決めてもらい、各動物は頭を使い、他よりも速くゴールするよう努めました。
このレースのルールによって、本来ならネズミよりイノシシの方が速いはずなのに、なぜネズミが最も早い干支となったのかという疑問が解消されます。
結局、スタート時刻は問いませんでした。大切なのは元日にいち早く神様のもとへ到着した動物が勝者となるのです。
干支の順列
古くから伝わる干支の物語には、動物たちの競争が登場します。このレースの結果はいかに?
干支の順番 | 読み方 | 動物 |
---|---|---|
1番 | ね | ネズミ |
2番 | うし | 牛(うし) |
3番 | とら | 虎(とら) |
4番 | う | 兎(うさぎ) |
5番 | たつ | 龍(タツ) |
6番 | み | 蛇(へび) |
7番 | うま | 馬 |
8番 | ひつじ | 羊 |
9番 | さる | 猿 |
10番 | とり | 鶏 |
11番 | いぬ | 犬 |
12番 | い | 猪(イノシシ) |
干支を決める競走の結果、最先端を走り抜けたのはネズミ。最後尾に位置するのは猪でした。では、レースはどのように展開されたのでしょうか。
筆頭のネズミ: 窮地を乗り越える策略
ネズミが一位になれた秘密とは、なんと牛の背中を隠れ家にして利用し、ゴール手前でさっと飛び降りて駆け抜けたからです。
牛は自身の遅さに不安を抱え、決戦の前日からスタートを切っていました。その様子を用心深く見ていたネズミは、背中に忍び込むことに成功するのです。
ネズミは確かに策士と言えるでしょう。彼は牛に隠れて運んでもらうことだけでなく、猫を欺くことにも長けていました。
そういえば干支って用意、ドン!で順位競ったわけじゃないからあの順番なんだよなー確か。
丑、かなり早い時間に出発しててくてく行って、一緒に乗ってた子がぴょいって先に降りたから1位になって、丑が2位、とかだったような。
(哲学ニンゲン聞いてて思い出した)— クロラ (@kurora06) December 24, 2024
首席のネズミ: 猫を欺く
生来の敵である猫に対して、ネズミはこんな策を用ました。
- 猫: 「ねずみくん、神様んとこに行くのって…いつだっけ?」
- ネズミ: 「元旦の次の日さ」
猫にいつもいじめられていたネズミは、干支への招集を忘れた猫に対し、「元旦の次の日」と嘘を吐いてしまいました。その結果、猫は招集に遅れ、干支に名を連ねることはできませんでした。
子供たちになぜ干支に猫が含まれていないのか尋ねられた時は、猫がネズミの策略によって出遅れたからだと教えましょう。
実際に、猫は元旦の次の日に神様のもとへと向かいますが、その時には既に競走は終わっていたのです。
この話から、猫がいつまでもネズミを恨んで追いかけ続けるのは、干支レースで騙されたからだという伝承が生まれました。
干支の順序と性格の影響
干支の物語におけるレースでは、牛が2番目に、虎が3番目に位置づけられています。
足の遅い牛は先手を打って前日に出発するも、すばやい虎が当日の朝に出発にも関わらず、牛に追いつくことはできなかったのです。
2番目の牛:不満無しの堂々たる2位
背中にネズミを隠し持っていたとは知らず、牛は1位にはならなかったが不平はありませんでした。その訳は、牛のおおらかな性格にあります。
「1位でなくとも、干支の仲間入りができれば2位でも満足だ」と寛容な精神で順位に納得しているのです。
干支に選ばれただけで満足している、牛の優しい一面がうかがえます。
3番目の虎:疑り深さが敗因となる
毎日警戒を怠らない野生の虎は、常に周囲に用心して生きています。そのため、「干支レースなんて本当にあるのか?」と、レース自体の存在を疑っていたのです。「本当かどうかわかならいが、速い俺が出れば、一番になれる」と過信していた虎もいました。
しかし、その疑い深さと自信過剰が仇となり、結局前日に出発した牛には追いつけなかったのです。
干支の順番:4番目の兎は幸運の象徴!ドラゴンと蛇の友情
十二支のレースにおいて、4番目を占めるのは兎であるが、川を渡る際に苦労したことで知られています。
4番目の兎:幸運な存在
俊足の兎も、泳ぎが苦手なため、レース中の川の存在が大きなネックとなりました。そんな中、偶然流れてきた大木を見つけ、それを船のように使って川を渡ることに成功しました。
しかし、木の上で再び進行に難航し始めた時、後ろから来た龍が力を貸してくれ、無事に川を渡ることができました。
これらの幸運な出来事が兎を「幸運な干支」として象徴させる理由です。
5番目の龍、6番目の蛇:親友同士
形状が似た龍と蛇は、互いに親しい仲とされています。龍には空を飛ぶ能力があり、蛇にはないものの、彼らは強い絆で結ばれていると言われています。
十二支の物語では、龍と蛇が友好的な関係を保ちながらレースに臨んだことでも知られており、彼らが仲良くゴールしたとする説が残り、5番と6番が同着であった可能性が指摘されています。
干支の物語見直してみたら、同時に着いたのに上位種の辰に順番譲ってるっぽい。巳、いいやつだった
— 🎃さびあゆ🍎 (@sabiayu_106th) December 19, 2024
干支の順番とその興味深い逸話
干支にまつわるレースには面白い逸話が伝えられています。例えば、第七番の干支である馬が、なぜレースに勝てなかったのかというものです。
馬が示す道草のたとえ
競争心旺盛なはずの馬が、道草を食べてしまい脱落してしまったという伝承が残っています。
馬は実際に1時間に60キロメートル以上を走ることができる動物ですが、神聖なレースである干支の順を決める大事なレースの最中に見せるふるまいとしては、なかなか風変わりな話です。
馬は本能的に道端に見つけた美味しそうな草や花を食べる動物であるため、この逸話には現実味があります。
例えば、「グラスワンダー」という名の競走馬が存在しており、この馬は牧場で見つけたタンポポを一株残らず食べ尽くしたという逸話が後世に伝えられています。
実際に毎週日曜日の15時30分頃に行われる競馬レースを見学すると、競走前に草を食べる馬や、花を食べる馬の姿が目に止まるでしょう。
よって、馬が道草を食べるという伝えられる話は、馬の自然な行動を反映していると考えられます。
迷いを見せる羊の振る舞い
一方、羊は干支レースで道に迷い、本来あるべきレースの道を進むことができませんでした。
好調にレースを進めながらも、その性格が災いして迷子になってしまったと伝えられる羊ですが、これも羊の特性を反映した話と言えそうです。
干支の順番と仲介役の鶏
日本の伝統的な十二支の中で、「猿」と「犬」が隣同士ではないのは、実はある逸話に由来しています。この二匹が非常に仲が悪く、干支を決めるための競争中にケンカを始めたためです。
干支のレースで繰り広げられたこの争いは、「猿」と「犬」の間に「鶏」が入る形で収束しました。すなわち、「鶏」が二匹のケンカを仲裁し、「猿」の後ろに入る形でゴールしたのです。
順位を振り分ける混戦の中、最後の直線で繰り広げられた「猿」と「犬」の争いは、「鶏」の手腕によって解決されました。
結果として、「鶏」は9番から11番までの中心である10番目に位置し、それが現在も続く順番の由来となっています。
干支の順番―12番目の亥!直進するのみの猪、ゴールを駆け抜け
たくましい脚力を持つ猪は、超高速で走り抜けていました。ですが、悲しいことに猪は直進するしかできなかったのです。
12番目の亥: ゴールを駆け抜け
12番目の亥: ゴールを駆け抜け
いくつかの説では、神々のもとに最初に到達したのが猪だったといわれています。しかし、ゴールを通り越してしまい、再び戻ることになったため、貴重な時間を失ってしまいました。
その結果として、猪は12番目の位置に甘んじることになったのです。
干支の順位とその意義について
干支は、単に年を示すだけではなく、方角や時間を知る手段としても用いられています。今回はその干支がなぜこの順番になったのかについて、いわゆる干支レースと呼ばれる故事をご紹介しました。
このレースは、神話において神様が人々が年齢、方角、時間を把握しやすいように、12匹の動物を選んで順番を決定したとされています。