Switchがまだヒット中だけどなぜ後継モデルが必要なのか?

2017年に登場したニンテンドースイッチは、任天堂が過去に発売したゲーム機の中でも特に高い人気を博し、発売以来、安定した売上を続けています。PlayStation 5やXbox Seriesといった最新機種の売上を凌ぐことも多く、国内市場においてはスイッチが圧倒的な存在感を示しているのが現状です。

ソフトの販売に関しても、任天堂の新作タイトルが発売されるたびに、過去のシリーズ作と比較して優れた成績を収めています。

例えば、2024年にリリースされた2Dゼルダの新作や、マリオパーティの最新作は非常に好調な売り上げを記録しています。

Wii U時代に苦戦したシリーズもスイッチでは売上を大きく伸ばしており、ソフト販売の面で見るとずっと順調な成長を遂げています。

しかし、スイッチの後継機に関しては、2025年3月までの今期中に発表される見通しです。これには「なぜこれほど売れているのに次世代ハードを出すのか」と疑問を持つ声もあるでしょう。

事実、スイッチの後継機がWii Uのような売上へと結びついた場合、現在「発売すれば売れる」となっている多くのソフトも売上が下がるリスクをはらんでいます。Wii Uの時代には、マリオパーティやペーパーマリオ、カービィ、ドンキーコングなど任天堂のさまざまなシリーズが厳しい売上に直面したのは記憶に新しいところです。

そこで問いたいのは、売れている現行ハードから次世代機への移行にはどのような理由があるのかという点です。この疑問について考察していきましょう。

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既に歴代最長レベルの長さ

任天堂のswitchは2017年3月に登場して以来、7年半を超える活躍を続けています。2025年3月を迎えるころには、使用年数が8年を超える見込みです。任天堂のゲーム機としては、トップクラスの記録を持つことになります。

過去の例を見ると、Wii Uは2012年12月から2017年3月まで、約4年しか市場に存在せず、大ヒットを記録したWiiですら2006年12月から2012年12月までの6年間でした。それより以前のゲーム機でも、switchほど長命だった機種は存在しません。ファミコンでさえも7年と少しの間しか活躍しませんでした。

過去の機種が短命だったからといって、必ずしも早急に後継機を世に出さなければならないわけではありません。それが証拠に、Wiiの記録をすでに上回っているswitchが今もなお現役であり続けています。

しかしながら、平均的なハードの活躍年数を遥かに凌駕するほど、switchは長期間にわたって市場で輝き続けているのです。

売上の現状と展望

ニンテンドースイッチの売上は依然として高い水準を維持しており、競合するプレイステーション5と比べても、新モデルが登場した当初を除き、週間販売台数では多くの週でプレイステーション5を凌駕しています。

ソフトウェアの売り上げにおいても絶好調です。既に述べた通り、「発売すれば高い確率でヒットする」という状況が続いています。

2024年にはソフトウェアのラインナップにより売り上げが多少落ち込んだとされていますが、2023年には3Dゼルダの新作やピクミン4、2Dマリオの新作など、100万本級のタイトルが集中してリリースされました。

もし後継機をリリースせずに大型タイトルを投入し続けるとしたら、売上面ではまったく問題はないことも明らかです。

ただし、海外市場では以前に比べて売り上げの増加ペースが鈍化しているのも事実です。ゲーム機は国内市場だけでなく、グローバルに展開されるため、世界を視野に入れるとわずかながら売り上げは減速しています。

しかし、海外でも、3Dマリオやマリオカート、3Dゼルダ、スプラトゥーンといった、「100万本確実クラス」の新作を連続してリリースすれば、その影響はある程度は緩和できるでしょう。また、日本国内では大作を次々と発売し続けることで十分対処可能です。

そう考えると、売上面から見ると後継機の必要性はなくなると言えます。むしろ、新型ゲーム機を市場に投入して失敗する方が、売上げ面での損害が大きくなるかもしれません。

しかしながら、他の面での要因も多々存在し、「総合的に判断する必要がある」というのが実態です。

スペックに関する課題

Nintendo Switchは、発売当初からハードウェアの性能を重視した設計とは異なり、”スペックだけで見た場合”はすでに市場に出ているPlayStation 4などには劣っていました。次世代ゲーム機のPlayStation 5やXBOX Seriesの登場により、ハードウェアの性能はさらに高まっています。

確かにSwitchがこれらのゲーム機などに性能を合わせる必要はなく、それを行えば価格がファミリー向けでなくなってしまうため避けるべきでしょう。

しかし、性能差があまりにも大きくなると、従来「PlayStation 4とSwitchの両方で同時に発売」という形で提供されていたゲームソフトが、これを行えなくなるおそれがあります。その結果、Switch向けのゲームタイトルが減少し、他のゲームメーカーが離れてしまう可能性があるのです。

任天堂独自のゲームタイトルだけでSwitch市場を維持することも可能かもしれませんが、他メーカーからのゲーム供給はゲームハードにとって不可欠な要素の一つであり、”ある程度”の性能向上が戦略的には必要になっています。

もちろん、現在のSwitchで十分と感じているユーザーも多くいることでしょう。しかし、性能においてあまりにも差が開きすぎると、ソフトの発売面で不利な状況を招きかねない点も考慮に入れる必要があります。

部品確保とセキュリティ課題

長く同一のゲーム機を市場に提供していると、やがては製造に必要な部品が入手困難になる場合や、セキュリティが徐々に脆弱化するリスクが出てきます。

Nintendo Switchのことを指しているわけではありませんが、どれだけ成功しているゲーム機であっても、いずれはこのような問題でサイクルの終わりがやってくるのは避けられない現実です。

長期間にわたって「まったく変わらないゲーム機」の提供が続けば、部品調達の難しさやセキュリティの弱さが顕在化することは予想されます。もちろん、アップデートで対応したり、代替部品を見つけたりすることで一定程度は対応可能ですが、最終的には限界が来るものです。

Nintendo Switchについても、いつかは後継機にバトンタッチする必要がある現実があり、家庭用ゲーム機としては「かなり長い命」を全うしているため、残念ながらその時が近づいていると言えるでしょう。

世代交代における緩やかな移行の重要性

任天堂スイッチの後継モデルについては、「スイッチからの移行に相当な時間を要する」と考えられています。

そこで、スイッチが市場での勢いを落としてから新型をリリースすると、何年間も厳しい時期が続く恐れがあります。現行モデルが比較的好調な間に新モデルを投入することの必要性が指摘されているのです。

非常に成功したスイッチから次の機種にユーザーが移行するには、そもそも時間が必要です。また、物価高の影響で後継モデルもやや高価になると予測されており、3万円から4万円程度には抑えられるとはいえ、購入層が容易に切り替えることはなくなりがちです。

このため、「数年をかけて緩やかに移行する」という戦略が取られ、スイッチの市場での活況が続いている間に新型をリリースします。

この方針によって、後継機への移行が遅れても「問題ない」と位置づけることができ、これは現行モデルの好調な時期に後継モデルを発売する理由の一つと言えます。

まとめ

Nintendo Switchは現在も市場で高い売り上げを維持しており、特に日本国内での強さが際立っています。新たに複数の100万本以上売れる可能性のあるゲームタイトルを次々にリリースすることができれば、Switchはしばらくの間、アクティブなプラットフォームであり続けることに疑いはありません。

しかし、他にも考えなければならない事情が存在し、Switchが良好な販売数を記録している現状にも関わらず、将来の動向についても策を練る必要があります。それが現実の状況です。

メーカーとしてはSwitchの現役期間をできるだけ延ばすことに意欲を見せていますが、この問題に関しては解決が難しいようです。