御霊前の準備は、時にどのようにお金を納めるべきか迷うこともあります。
急なご連絡で慌ただしく準備をしなくてはならない時、どのように対応するのが適正なのかと戸惑うことも少なくありません。
誤った方法で準備をすると、不敬の意があるととられかねません。ここで一度深呼吸をして、正しい方法を把握しておきましょう。
例えば、真新しい紙幣を使うことは避けるべきなのか、また中袋がない場合にはどのようにお金を入れるのが正しいのか、など、御霊前へのお金の入れ方についての詳しい情報をお伝えします。
ご霊前へのお供え金の正しい向き
ご霊前を用意するにあたり、お札の向きで迷われる方が少なくありません。お供え金の表裏や上下、どの方向で納めるべきかという疑問は一般的です。
ご霊前に納めるお札の向きについて、定められた規則があるわけではなく、複数の解釈が存在します。しかし、ここでは多くの方に取り入れられている一般的な方法をご紹介しましょう。
紙幣の表面と裏面の見分け方
日本の紙幣には、「表」と「裏」という二面があります。
肖像画が描かれた面が「表」とされ、反対側、すなわち人物の肖像がない面を「裏」と呼びます。
御霊前の中袋へのお札の正しい入れ方
御霊前に用いられる中袋にお札を入れる際、正しい向きというものが存在します。
入れ方の手順について説明しますと、第一に、お札の表面(肖像画が描かれている面)が封筒の裏側に来るようにセットします。
続いて、金額が記されている部分が上側になるようにし、その反対側、すなわち下側に人物の肖像が位置することが通例です。
仮に二枚以上のお札を御霊前の中袋に収める場合は、全ての紙幣が同じ方向に揃っているようにする必要があります。表と裏、そして上下が一致するよう、丁寧に整えて封入することが肝要となります。
ご霊前ってお札の顔が見えない向きに入れるのね、知らなかったわ
— しゃおたん (@anzu_shaotantan) September 7, 2012
霊前に献上するお金は新札を使用してはならないのか
一般的に霊前に供えるお金は、新札ではなく使用感のある紙幣を用いる習わしがあります。
霊前とは、故人や先祖への敬意や追悼の心を表現するための金銭をささげるものです。その際に新札を用いないのは、葬儀や法要の際に、故人に対する追憶と尊敬の情を示すため、わざと使用感のある紙幣を選ぶ風潮があるためです。
弔事で新札を避ける理由
弔事では新札を使わない主な理由は、前もって新札を手配する必要があるからです。
新札を準備することは、不幸な出来事を予期していたように受け取られる恐れがあります。これに対し、祝事においては新札を用いるのが通例ですが、悲しい出来事に際しては、新札の使用を控えるのが適切と考えられています。
新札のみを所持している際の取り扱い方
時として、新札しか保有していないという事態に遭遇することがあります。そのような場合には、新札に折りジワを作るために一旦半分に折るという方法が有効です。
不適切なお札の取り扱いについて
お札を封筒に入れる際、必ずしも新札を使用する必要はありません。しかしながら、汚れや破損が目立つお札を使うことは避けるべきです。これは失礼にあたるとされているためです。また、しわが多くなったお札も同様に適切ではないと認識されています。
初めてしった、一般常識・・・ ご霊前は古いお札でないといけないらしいorz
— け~る (@ke_ru) October 25, 2010
御霊前の金額の包み方:中袋がない場合
御霊前をご用意する際、中袋が手元にない場合もあります。
そうした状況でもマナーを守りつつ適切にお金を包む方法についてご説明します。
中袋なしの意味とその地域差
中袋なしは、ご霊前を包む際に、外側の包装紙(上包み)内部に直接入れることを意味します。
地方や地域によりこの慣習には差があり、ある地域では、不祝儀袋を使用する際に別途中袋を用いないことが通例です。
この風習は、不吉なことを連想させるため、中袋と上包みを重ねないようにするという、縁起をかつぐ思考が背景にあります。
お金を封筒に入れる際の留意点
中袋が添付されていない弔事用の封筒や、中袋を使用しないものに対しては、直接金額を封筒の中に入れることになります。
中袋がない場合も、紙幣の表向きは中袋がある時と全く同じように配慮することが大切です。
お金の収納方法の概要
財布にお金を入れる際に決まりは特に存在しませんが、一般的には紙幣の向きや裏表を統一して入れることが多いです。
新品の紙幣であっても、少々折り曲げることで日常的に使用は可能です。汚損が激しく使用にふさわしくない紙幣に関しては、知人や店の方に状況を話し、交換を依頼するのも一つの手です。大量の紙幣を同時に交換しようとすると迷惑がかかることがありますが、1枚や2枚であれば交換に応じてもらえるケースが多いでしょう。
突然の要件で慌てることもあるかもしれませんが、落ち着いて準備することが肝心です。