理科や数学の教科書で見かける「uみたいな記号(μ)」。
でも、この記号の読み方や意味があいまいで、なんとなく暗記していませんか。
実はμ(ミュー)はギリシャ文字で、使う場面によって「マイクロ」「ミュー」「ミクロン」と読み方や意味が変わります。
この記事では、μの読み方・意味・書き方を、理科が苦手な高校生でも理解できるようにやさしく解説します。
「μって結局何?」がスッキリわかる内容になっているので、テストや受験の復習にも役立ててください。
uみたいな記号「μ(ミュー)」とは?基本の意味をやさしく解説

理科や数学の教科書を見ていると、アルファベットのuにそっくりな「μ」という記号が出てきますよね。
このμはただのuではなく、実はギリシャ文字のひとつです。
まずはこの記号がどんな場面で使われるのか、どんな意味を持つのかをわかりやすく整理していきましょう。
「μ」はギリシャ文字。英語のuとは違う
μ(ミュー)は、ギリシャ文字の12番目の文字で、英語のアルファベットuとは別の文字です。
見た目が似ているため混同しやすいですが、μは「ギリシャ語のm」にあたる文字です。
つまり「μm(マイクロメートル)」のような使い方をしても、「um」では意味が違ってしまうので注意が必要です。
英語で書くときにuを代用するケースもありますが、それは単なる代替表記で、本来はμを使うのが正確です。
| 文字 | 正式名称 | 使われる分野 |
|---|---|---|
| μ(ミュー) | ギリシャ文字 | 物理、化学、単位など |
| u(ユー) | 英語アルファベット | 英単語、代替記号として使う場合も |
「μ」はどんなときに使われる?よく出る場面3つ
μは、主に以下のような3つの場面でよく登場します。
- 単位の前につくとき:「マイクロ」の意味(例:μm、μg)
- 物理の式の中:粘度や摩擦係数を表す記号
- 電気の世界:抵抗率や透磁率などを表す場合
たとえば、定規で測れないような小さなサイズを表すときに「μm(マイクロメートル)」を使います。
また、摩擦の強さや液体のねばりけを表すときにもμが登場します。
つまりμは、「とても小さいもの」や「比率・性質」を表す万能な記号なのです。
| 使われる場面 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 単位の接頭語 | マイクロ | 100万分の1 |
| 物理・化学の記号 | ミュー | 粘度、摩擦係数など |
| 旧単位 | ミクロン | 1μmのこと |
μは、分野によって読み方も意味も変わる不思議な記号です。
次の章では、その読み方をもう少し詳しく整理していきましょう。
「μ(ミュー)」の読み方と使い分け
同じ「μ」という文字でも、読み方がいくつかあります。
理科が苦手だと「どれが正しいの?」と混乱してしまいがちですが、心配はいりません。
ここでは、使われる場面ごとに「マイクロ」「ミュー」「ミクロン」の違いを整理していきましょう。
「マイクロ」と読むとき(単位の前につく場合)
まず、μが単位の前につくときは「マイクロ」と読みます。
これは100万分の1(10⁻⁶)を意味する接頭語です。
たとえば、1μm(マイクロメートル)は1mの100万分の1の長さです。
これは人間の髪の毛の太さ(約70μm)を測るときなどに使われます。
| 単位 | 読み方 | 意味 | 例 |
|---|---|---|---|
| μm | マイクロメートル | 1mの100万分の1 | 髪の毛の太さ |
| μg | マイクログラム | 1gの100万分の1 | 薬の量など |
| μA | マイクロアンペア | 1Aの100万分の1 | 電子回路で使う電流 |
ポイントは、「単位の前にあるμ=マイクロ」と覚えておくことです。
「ミュー」と読むとき(物理や化学での記号の場合)
次に、μが数式の中に単独で出てくるときは「ミュー」と読みます。
この場合のμは、「粘度」や「摩擦係数」など、物質の性質を表す記号として使われます。
たとえば、摩擦力を表す式「F = μN」では、このμが摩擦係数を表します。
| 分野 | 式の例 | μの意味 |
|---|---|---|
| 物理 | F = μN | 摩擦係数 |
| 化学 | η = μρ | 粘度などを表す |
| 電気 | B = μH | 透磁率 |
つまり、式の中でμを見たら「性質を表す記号」だと思えばOKです。
「ミクロン」って何?昔の単位との関係
最後に「ミクロン」という言葉も聞いたことがあるかもしれません。
これは昔使われていた単位で、現在の「マイクロメートル(μm)」と同じ意味です。
つまり、1ミクロン=1μmです。
| 表記 | 読み方 | 現在の呼び方 | 意味 |
|---|---|---|---|
| μm | マイクロメートル | SI単位で使用 | 1mの100万分の1 |
| μ | ミクロン | 旧表記(現在は非推奨) | 同上 |
理科の資料や古い本では「ミクロン」が出てくることもありますが、今は「マイクロメートル」と書くのが正式です。
μは、文脈によって「マイクロ」「ミュー」「ミクロン」と変わるという点を整理しておきましょう。
「μ(ミュー)」が表す意味:粘度・摩擦係数・抵抗率の違い

ここからは、μがどんな「性質」や「数値」を表すのかを具体的に見ていきます。
理科ではμがさまざまな場面で使われるので、意味を混同しやすいですが、それぞれの分野ごとにちゃんとルールがあります。
この章では、粘度・摩擦係数・電気抵抗率という3つの代表的な意味を、身近な例を交えながら整理していきましょう。
粘度のμは「ねばりけ」の強さ
まず、液体の「ねばりけ」を表すのが、粘度のμです。
たとえば、水とハチミツを比べると、ハチミツの方が流れにくいですよね。
この「流れにくさ」の程度を数値で表したものが粘度(μ)です。
粘度が大きいほど、液体がドロッとしているということになります。
| 液体の種類 | 粘度の大きさ | 特徴 |
|---|---|---|
| 水 | 小さい | さらさらと流れる |
| オリーブオイル | 中くらい | 少しとろみがある |
| ハチミツ | 大きい | ゆっくり流れる |
つまり、μが大きい=動きにくい液体というイメージで覚えておくとわかりやすいです。
摩擦係数のμは「すべりにくさ」の度合い
次に、摩擦の強さを表すのが「摩擦係数のμ」です。
たとえば、氷の上ではツルツルすべるけれど、ゴムの上ではピタッと止まりますよね。
この違いを数値で表すのが摩擦係数μです。
| 素材の組み合わせ | 摩擦係数(μ) | 特徴 |
|---|---|---|
| 氷と氷 | 0.03 | とてもすべりやすい |
| 木と木 | 0.4 | そこそこすべりにくい |
| ゴムとアスファルト | 0.9 | しっかり止まる |
このように、μの値が大きいほどすべりにくいことを意味します。
式では「F = μN」という形で使われ、Fが摩擦力、Nが押し付ける力を表します。
電気で出てくるμは「すごく小さい単位」の印
最後に、電気や磁気の分野でのμについて見てみましょう。
ここではμは、単位の一部として「とても小さい量」を表します。
たとえば、μA(マイクロアンペア)はアンペアの100万分の1、μF(マイクロファラド)はファラドの100万分の1です。
| 単位 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| μA | マイクロアンペア | 1Aの100万分の1の電流 |
| μF | マイクロファラド | 1Fの100万分の1の電気容量 |
| μH | マイクロヘンリー | 1Hの100万分の1のインダクタンス |
電気の世界でのμは「小ささ」を表すサインだと覚えておくと良いでしょう。
同じμでも、液体ではねばりけ、物体ではすべりにくさ、電気では小さな単位を表しているのです。
「μ」の書き方:uとの違いを図で理解しよう
ここでは、μ(ミュー)の正しい書き方と、見た目が似ている英語のuとの違いを整理します。
教科書やノートで書くとき、少し形が違うだけで「読めない」と判断されてしまうこともあります。
正しい書き順を覚えれば、自然と美しいμが書けるようになります。
手書きでのポイント(どこから書くか)
μの書き方のコツは、最初の左下のはねからスタートすることです。
そこからuのように下へ曲げて、右上に少し伸ばします。
つまり、書く順番は「左下 → 曲線 → 右上」です。
| ステップ | 動き | ポイント |
|---|---|---|
| ① | 左下に小さく線を出す | はねを作るイメージ |
| ② | 下にカーブしてuの形を描く | 丸くやわらかく書く |
| ③ | 右上へ軽く線を出す | 最後の“伸び”がμの特徴 |
uとの大きな違いは「最初の左下のはね」と「最後の上向きの線」です。
uとμの見分け方を比べて覚える
英語のuとギリシャ文字のμは形がとても似ています。
ですが、見比べると次のような違いがあります。
| 文字 | 形の特徴 | 違い |
|---|---|---|
| u | 左右対称で上に線が出ない | ベースラインに沿って終わる |
| μ | 左下にはね+右上の伸び | 少し動きのある形 |
見た目で迷ったときは、右上に少し線が出ていたらμと判断すると分かりやすいです。
デジタル入力でμを打つ方法(パソコン・スマホ)
手書き以外でも、レポートや課題でμを使いたい場面は多いですよね。
パソコンやスマホでも簡単に入力できます。
| デバイス | 入力方法 |
|---|---|
| Windows | Altキーを押しながら「230」とテンキーで入力 |
| Mac | option + m を同時に押す |
| スマホ | 日本語キーボードで「みゅー」または「まいくろ」と入力 |
入力方法を覚えておくと、レポートやWordなどでも正しい記号がすぐに使えます。
手書きでもデジタルでも、μを正しく書けると理科の理解度もぐっと上がります。
まとめ|「μ」を理解すれば理科の世界がクリアになる

ここまで、uのような記号「μ(ミュー)」について、読み方・意味・書き方をやさしく整理してきました。
最後にもう一度、学んだポイントを振り返って、理科の理解をしっかり定着させましょう。
μは「小さいもの」や「比率」を表すサイン
μはギリシャ文字の一つで、理科ではとてもよく登場します。
単位の前につくときは「マイクロ」と読み、100万分の1を意味します。
一方で、数式の中で単独で使われるときは「ミュー」と読み、粘度や摩擦係数といった性質を表します。
| 使われ方 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 単位の前につく | マイクロ | 100万分の1 |
| 式の中に出る | ミュー | 性質や係数を表す |
μは「小さい世界」と「物の性質」をつなぐキーワードなんです。
読み方と意味の違いを整理して覚えよう
μは見た目がuに似ているため、最初は戸惑うかもしれません。
でも、使われる場所と意味を整理して覚えれば、難しくありません。
- μm → マイクロメートル(とても小さい長さ)
- F = μN → ミュー(摩擦係数)
- B = μH → ミュー(磁性の性質)
このように、文脈で読み方を切り替えるのがコツです。
どんな場面でも「μ=小ささ・性質のしるし」と意識すると理解が深まります。
| 状況 | μの意味 | 例 |
|---|---|---|
| 単位として | 100万分の1 | μm, μg, μA |
| 物理記号として | 粘度・摩擦係数 | F=μN |
| 電気・磁気で | 透磁率や抵抗率 | B=μH |
μを理解できると、理科の式の意味が「見える化」されるようになります。
これから教科書を読むとき、ただ暗記するのではなく、「このμは何を表しているのか?」と考えてみましょう。
それが、理科の世界をスッキリ理解する第一歩です。

