大学への進学が決まり、ご親族やお知り合いから祝福の品を頂戴した際は、感謝の意を込めたお礼状をお送りするのが望ましいでしょう。
社会人への一歩を踏み出し、成人らしい丁寧な文章でお礼の気持ちを表現することが大切です。
ただし、フォーマルな文面を作成する経験が少ない方もいらっしゃるでしょうから、どのように筆を進めればよいのか迷うこともあるかもしれません。
そこで、新たに大学生活を始める方々向けに、入学のお祝いに対してどのように感謝のお礼状を執筆すればよいかの一例を提案させていただきます。
いくつかのバリエーションをご紹介いたしますので、お手本にしていただき、個々のスタイルに合わせてアレンジしてご活用ください。
大学進学に伴う感謝の手紙の書き方について
大学への入学を祝福してくれた方への感謝の手紙に盛り込むべき要点をご紹介します。礼状は心をこめて書くことが大切であり、まずは季節を感じさせるあいさつから始め、ゆったりとした書き出しを心がけると良いでしょう。
もしも頻繁に顔を合わせるご家族や特に親しい間柄の方に送るのであれば、形式に捉われず、さりげない手紙が逆に親近感を呼ぶかもしれません。そうした場合は、堅苦しい季節の挨拶よりも、ご自身の最近の様子を詳しく記すと良い反応を得られる可能性が高いです。
お礼状ですから、贈り物をいただいた感謝の気持ちをしっかり伝えることが肝心です。手紙の締めくくりには、相手のことを思いやる優しい一言を添えると、さらに感動を与える手紙になるでしょう。
大学入学の御礼状サンプルテキスト
ここに、数々のサンプル文面を掲載いたします。
贈り主との関係に応じて、文章の正式さを調整してご使用ください。
親戚の方へ向けたお礼の書き方
叔父さんや叔母さん、祖父母といった親しい親戚たちに感謝の意を表すための、お礼状の書き出し例をご紹介します。季節のあいさつを盛り込む際は、その時期に適したものを選んでください。
お礼の文章例1
新緑が目にまぶしい時期になりましたが、○○叔母さんはお元気でしょうか。この度は私の大学への進学を祝ってくださり、心から感謝しております。おかげさまで、無事に入学式に出席し、新たな生活の第一歩を踏み出せました。学業を通じて、将来は社会で役立つ人間になるべく、励んで参ります。肌寒い日もございますので、お体を大切になさってください。
お礼の文章例2
春の温もりが感じられるようになってまいりましたが、○○おじさんは健やかにお過ごしですか。私の新しいスタートをお祝いいただき、本当にありがとうございます。いただいたお心遣いは、大学での生活に必要な品々を整えるのに役立てさせていただきます。まだ大学生活に馴染みきってはいませんが、毎日が刺激的で充実しています。これからの4年間、さまざまな経験を積みながら、学問にも励んでいきます。気持ちの良い季節を迎えつつありますが、どうか健康に気を配りお過ごしください。
お礼の文章例3
冬の寒さが和らぎ、春が近づいておりますが、○○のおばさんには変わりありませんか。最近になって、私の大学進学に対するお祝いの言葉を賜り、感謝しております。春休みを利用して受験の疲れを癒し、親友たちとのひと時を楽しんでいます。入学式はすぐそこですので、そのための準備に取り組んでいます。機会がありましたら、おばさんのお宅にもぜひ訪れたいです。次にお会いできる日を楽しみにしています。まだまだ寒い日も続きますので、ご自愛くださいませ。
お礼の文章例4
日々桜の便りを楽しみにしておりますが、皆様のお住まいの地域はいかがでしょうか。この度は、温かい祝辞を賜り、心より御礼申し上げます。大事に使わせていただきます。4月より始まる大学生活は、現状のパンデミックを鑑みると不安を感じることもありますが、未知なる環境や出逢いを大切にし、充実した学生時代を過ごしたいと考えております。これからの季節は暖かくなる一方で、ウイルス対策も怠れません。どうぞ健康には留意されてください。お目にかかれる日を心待ちにしております。
お礼の文章例5
こちらでは桜の花が散り始めましたが、そちらの情景はいかがですか。入学の祝辞を賜り、誠にありがとうございました。入学式を無事終え、新生活がスタートしました。新たな友人との出会いもあり、日々実り多い生活を送っています。大学での学びに向けて気持ちを新たにしています。落ち着いた折に、改めてお邪魔させていただきます。皆様のご多幸を願いつつ、健康には十分気を付けてお過ごしください。
お礼の文章例6
我が家の近くでは桜が美しく咲いていますが、皆様の地域の様子はいかがでしょうか?先日は大学入学のお祝いを送ってくださり、深く感謝しております。大切に活用させていただきます。入学式も済み、授業が始まりました。新しい分野の勉強ができることにワクワクしています。学食でのカラアゲ定食がお気に入りで、頻繁に食べています。次の長期休暇にはぜひ遊びに行かせてください。朝晩の冷え込みもまだ残っていますので、どうぞご自愛ください。
改まったお礼状の文章例
例えば、ご両覧または親しくない方からの御祝儀を頂いた際には、より硬く正式な文体を用いたい場合もございます。
その際の文書は次のようになります。
拝啓 時下益々ご清栄のことと存じます。
この度は、私の学びの場である大学への入学にあたり、何よりも心のこもったご厚情を賜り、深謝の至りでございます。既に入学式をも終え、初めての大学生活がスタートし、日々新たな環境に順応しております。
ここからの4年間、幅広く学問に勤しみ、社会に貢献できる人物になるべく精進して参ります。
桜花爛漫の時期、貴殿の一層のご健勝とご発展を心からお祈りしております。
敬具(右揃え)
なお、「~の候」はその文書を送る時期に応じて変わる季節の挨拶です。
上記の「春暖の候」は、春先の3月後半から4月にかけて使う挨拶に相当しますので、時期に合わせて適した挨拶を選ぶと良いでしょう。
そして、「拝啓」と「敬具」は一対で使用されることが一般的です。従って、「拝啓」と文頭にしたら、「敬具」を文章の最後に加えることを忘れないでください。
なお「敬具」は、文章の最後に改行を入れて右揃えで記載するのがマナーです。
御礼状のまとめ
こぎれいな入学祝いの御礼状についての書き方をご案内いたしました。文章を始める際には季節の挨拶を取り入れることで、親しみがあると同時に礼儀正しい印象を与えることができます。この挨拶は、必ずその時期にちょうど良い表現を選びましょう。
その後には、贈り主に対する感謝の言葉を織り交ぜ、ご自身の近頃の様子を盛り込むことで、より心のこもった内容となります。提供された例文を参考にしつつ、独自の言葉で感謝の意を表現することをお忘れなく。
また、手紙にて自分の近況を報告することは、相手にとっても喜ばしいニュースとなることでしょう。受け取った方が現在のあなたのことを感じることができるよう、積極的にさまざまな情報を織り交ぜてみてください。